会長挨拶

第22回日本新生児看護学会学術集会会長
吉村圭子(熊本市民病院 看護部 副看護部長)

未曾有の東北大震災から1年が過ぎ、また若葉の季節がめぐってきました。自然の中での私達の無力さと、それでも前に向かって行く人間の強さや絆について考えさせられた1年でした。

さて、この度第22回日本新生児看護学会学術集会を、平成24年11月25日(日)・26日(月)の2日間、熊本市の市民会館崇城大学ホール・熊本国際交流会館で開催いたします。新生児看護学会としては、初めての九州開催になります。
今年の学術集会テーマは、「家族とともに織りなす新生児のケア」、サブタイトルは-新しい家族を育む環境を医療の場に創る-としました。
看護職の専門性が求められ、また様々な分野の専門職も新生児のケアを担う事が必要とされてきた今日、多職種間の協働は必須となっています。
昨年度の学会に引き続き、今年はNICUのみでなく地域にも視野を拡げ、医師や看護師をはじめ多職種が家族とともに、新生児のケアという、しなやかな布を織りなせるよう「協働」について考えたいと思います。

特別講演としては、熊本の慈恵病院看護部長 田尻由貴子先生による「赤ちゃんポスト“こうのとりのゆりかご”から見えてくる家族の原点」について、めぐみ助産院(柳川市)寺田恵子先生からは、母乳を通して赤ちゃんと母親へのNICU看護師の役割についてご講演いただきます。
また学術セミナーとして、小児の訪問看護ステーション管理者中本さおり先生から、地域との協働という視点からご講演をいただきます。
合同シンポジウムでは、多職種がお互いの専門性を発揮しつつ協働し合いながら、良質な新生児のケアを行うことについて、議論をしていきたいと思います。
シンポジウムでは、新生児と家族にとって生活の場であるNICUについて、医療者や建築の専門家とともに、その環境について考えたいと思います。
また、新生児集中ケア認定看護師からは、「新生児認定看護師の活動報告〜初期ケアにおける実践を中心に〜」という内容で実践報告があります。

学術集会の合間では、皆様の緊張した身体をほぐしていただけるようにと、くまもとサプライズ特命全権大使「くまモン」が、くまモン体操をご紹介するために特別参加いたします。
4月から政令指定都市になった「火の国熊本」で、新生児看護について熱く語り、考え、学び、明日への新生児のケアに活かすことができる学術集会になるように準備を行ってまいります。多くの皆様のご参加を心よりお待ちしております。